厚生労働省のデータによると、交通事故で亡くなる人の数の倍以上の数が、
実は家の中での事故で亡くなっています。
最も多いのが浴室での溺死で、ほとんどが高齢者です。
窓で守る家族の健康
交通事故より多い家の中での事故
寒い家では「ヒートショック」が死亡事故の大きな要因に
浴室での溺死の要因の多くは「ヒートショック」が考えられます。
暖かい部屋から寒い廊下、脱衣場や浴室に移ると、血管が収縮し血圧が急激に上昇、 次に熱い風呂に入ると血圧が急激に下降します。 これら血圧の乱高下が心筋梗塞や脳卒中を起こす現象が 「ヒートショック」と呼ばれるものです。「ヒートショック」は入浴時だけではなく、起床時や真夜中にトイレに行く際にも起こす確率が高くなります。
暖かい部屋から寒い廊下、脱衣場や浴室に移ると、血管が収縮し血圧が急激に上昇、 次に熱い風呂に入ると血圧が急激に下降します。 これら血圧の乱高下が心筋梗塞や脳卒中を起こす現象が 「ヒートショック」と呼ばれるものです。「ヒートショック」は入浴時だけではなく、起床時や真夜中にトイレに行く際にも起こす確率が高くなります。
温かい布団の中の温度は約30℃ありますが、布団を出ると断熱性が低い家の寝室の室温は約10℃で温度差が20℃もあります。
この温度差が身体に大きなダメージを与え、時には命をも奪います。 廊下やトイレがもっと低い温度になっていると、さらに危険性は高まります
「緩慢なヒートショック」は、全世代の身体に悪影響を及ぼします
寒さや冷えで人間の体温は平熱より1度下がると、免疫力は3割も低下するといわれています。このことから急激な温度差だけではなく、寒い室温で暮らすことも身体に悪影響を及ぼすことが分かってきました。
これは「緩慢なヒートショック」と呼ばれ、
高齢者だけではなく、全世代の健康に大きく関わることが懸念されています。
「室温が低くても厚着をすれば体温は奪われないので大丈夫」と思われがちですが、呼吸によって吸い込む空気は冷たいままなので肺や内臓は常に冷やされ、その結果身体の中から冷えることになり、少しずつ体力が奪われ免疫が落ちてしまいます。
さらに寒さで血圧は上昇し、血液の濃化による動脈硬化のリスクも高まります。
イギリスの保健省は2009年にWHO報告書で、室温16℃で呼吸疾患、12℃で血圧上昇や心臓血管疾患のリスクが生じ、5℃になると低体温症などを発症させるほどにハイリスクになること、健康に良い温度として推奨される室温は21℃、許容範囲は18℃と具体的に記しています。 また、冷えた身体は動かしにくくなり、特に高齢者の方にとっては、転倒事故にもつながるため大変危険です。
イギリスの保健省は2009年にWHO報告書で、室温16℃で呼吸疾患、12℃で血圧上昇や心臓血管疾患のリスクが生じ、5℃になると低体温症などを発症させるほどにハイリスクになること、健康に良い温度として推奨される室温は21℃、許容範囲は18℃と具体的に記しています。 また、冷えた身体は動かしにくくなり、特に高齢者の方にとっては、転倒事故にもつながるため大変危険です。
夏もツライ!断熱性の低い家
室内での不慮の事故は、寒い冬場に起こりやすいのですが、夏場でも室内での事故は起こります。特に近年の異常気象により危険性が高まっている熱中症は、家の外だけではなく、室内でも多数起こっています。
水分摂取、エアコンを適切に使用するなどの対策は必要ですが、室内の断熱性が高ければ、外の熱気が室内に入りにくいので熱中症は避けられる事故と考えられます。
水分摂取、エアコンを適切に使用するなどの対策は必要ですが、室内の断熱性が高ければ、外の熱気が室内に入りにくいので熱中症は避けられる事故と考えられます。
日本と海外の断熱事情
昔は日本では土壁の家がほとんどでした。雨風は防げましたが、
現在の一般的に使用されているグラスウール断熱材の20倍以上も熱を通しました。
日本の家は「冬は寒く夏は暑い」ことが当たり前とされていましたが、
省エネが浸透し、壁の断熱材は進化を遂げ、
さまざまな断熱方法が採用されるようになりました。
しかし、海外に比べると家の断熱に対する意識はまだまだ低いと言っても
過言ではありません。
ドイツでは「温度は人権」とされているほど、室温に対しての意識が高く
古いアパートでも全室20℃以上に温められているそうです。
一方、日本の家は館内全てを暖房しませんし、特に浴室やトイレは10℃以下になる
こともあるという室温状況が現在でも続いている家は、少なくありません。
断熱性の高い家はメリットがいっぱい
暖かい居間と寒い浴室やトイレとの温度差が10℃以上あると、1日の歩数が2000歩も減少するというデータがありますが、家全部が暖かいと室内の移動も苦痛にならず身体が自然に動きます。冬の朝でも布団から出やすく、活動的に1日がスタートできます。
夏も断熱性が高ければ、室温が上がりすぎることがなく、熱中症の危険性は低くなります。 家族の健康を守るためには、断熱性が高い家づくりを考えることはとても重要です。 断熱工事は一時的には費用がかかりますが、断熱性を高めることで光熱費のランニングコストは抑えられ、何より健康が維持できるので医療費削減にもつながります。 また、家が暖かくなると灯油ストーブやファンヒーターの使用が控えられ、室内の空気がクリーンになり、身体に良い環境が保てます。
熱の性質を知ることが、心地よい室温を保つヒントに
熱は高い場所から低い場所へと移動する性質があります。
室温も同じことがいえます。
夏は、エアコンが室内を冷やせば、高い外気温が室内に移動しようとしますし、
冬は、暖かい室温が寒い外に出ていこうとします。
エアコンなどを使用し、快適な室温に設定していても、室内の断熱性・気密性が
低いと外の温度に影響され、快適な室温を保つことができません。
快適な温度を保つには熱を移動させない対策を考える必要があります。